CD MASTERPEACE ”OVERCOME THE LIMITS”
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【CD版】紙ジャケット二つ折り4P 126×126mm
大阪 CITY オリジナル激情爆走型ハードコアパンク「MASTERPEACE」4曲入りEP。
1. Against the COVID-19
2. ウダウダグダグダ
3. TSUBOTA
4. Overcome the Limits
以下、エロリン(BURNING SIGN / NODAYSOFF / SMDcrew / BACK YARD ZINE etc)による読み応えのある解説。
大阪CITYオリジナル激情爆走型ハードコアパンク!道なき道を切り拓くMASTERPEACEの4曲入りNEW EP「OVERCOME THE LIMITS」が、TIMES TOGETHERよりリリース。
音楽=ライフワークを体現するかのような、楽曲性とも相関する激しいバンド活動と絶えないリリースを続け、ハードコアとは何か?パンクとは何か?ロックとは?音楽とは?人生とは?はたまた愛とは?そういった自問自答を延々と繰り返しながら、情報量過多気味に転がり突き進む彼らの2022年における姿勢やアティチュードが存分に詰まった今回のEP。
再生して一聴すると直情的に聴こえるものの、曲を追えばただストレートなだけの表現ではないことにすぐ理解が進む。各曲の定めたテーマに対して感情を真っすぐ向けたものであることは確かだが、バーストした感情は必ずどこかで誰かや何かにブチ当たり、ネジれ、歪んでいくのだ。しかしその痛々しいほどに思える自己/他者への強い愛憎が、常に矛盾しながらも両立している。この白か黒かといった、単なる二択にとどまらない感情のグラデーションの表れこそがMASTERPEACEの最たる魅力であり、普段は見向きもしない鈍色すらもパレットにブチまけたゆえに起きる色彩の鮮やかさ、その混沌とした様をもって彼らのことを人間くさいと表現するならば、正にそうなのかもしれないと妙に納得してしまうのだ。
その昔、筆者がまだハードコアやバンドの界隈に出入りし始めて間もない頃、Vo. ごっちゃんが京都の夜の街に泥酔して現れたことがあった。まだMASTERPEACEが現在のようなチャンプルーなスタイルになる前の話である。ごっちゃんは靴がどっかいった、と言いながら恐らく持ち出したままであろうビールジョッキを片手に、左右がアベコベな居酒屋の便所サンダルを履いていた(笑)。ごっちゃんをよく知る人なら珍しくもない話かもしれないが、まだ18歳くらいの自分には中々のインパクトで心底ムチャクチャな人だと思ったものだ。しかしそれと同時に、真似のできない破天荒な姿に妙な憧れを抱いてしまったのも事実であったし、いま思えばMASTERPEACEのことを上手に描いたエピソードであるようにも思う。
そのごっちゃんを筆頭に、ジャパニーズロック史を様々なHARDCORE/PUNKフィルターに通してゴッタ煮にしたような世界観は唯一無二だが、鉄壁の演奏陣におけるMOTORHEAD的な解釈のメタリックなR&R感をさらに性急にしたビート、各曲内で多用されるビッシバシのキメフレーズに、80~90'sのJAPANESE HARDCOREやPAINTBOXなどと強く共鳴する語呂あわせを活かした日本語詩の使い方、それらを踏まえた良い意味でアバウトな余白のある歌やコーラス乗せ、そういった少しのズレなどは意に介さない点を含めて非常にユニークな仕上がりになっている。
ここ数年で大きな出来事の一つであったコロナウイルスのトピックをはじめとしつつ、3曲目では曲名から何から何までROUGH ROCK POSSESTのツボタ氏についての曲になっているなど、社会的なものからごく身近なものまで各曲のテーマの振れ幅は大きい。路地裏の空き缶やグラフティから地球の裏側で起こっている紛争まで、それらがMASTERPEACEの中では見事に一本線として繋がっているのだと思える。まさにアメ村から世界へ、といったところだ。
DISACOF氏によるファニー&毒の感じられるアートワークも、これまでのMASTERPEACEを踏まえた集大成感があり、彼らのよき理解者としての一面も感じさせる。くだらない人生だ、などとうなだれている暇があれば聴いた方が良い1枚。
FFO:MOTORHEAD、G.B.H、LOS CRUDOS、PAINTBOX、ROCKY&THE SWEDEN、VIVISICK、ブルースビンボーズ、LIP CREAM、OUTO
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